ミレー: Portrait of Madame Martin
Portrait of Madame Martin
作品基礎情報
作者名 Jean-Francois Millet (French, 1814-1875)
作品名 Portrait of Madame Martin
サイン モノグラム“JFM”(右下)
技 法 油彩・キャンバス
サイズ 46.4cm × 38.1cm
年 代 1840年
オークション クリスティーズ・ニューヨーク・ロックフェラープラザ
2011年10月12日
ミレーはフランスのGrucyという、Cherbourg〈シェルブール:フランスの大女優であったカトリーヌ・ドヌーヴ主演のシェルブールブールの雨傘という映画で有名です〉まで18キロの小さな村で農家の子供として生まれ、10代後半になり絵の道を歩み始めることになります。
1837年にフランス国立美術学校(L'Ecole des Beaux-Arts)にシェルブールから奨学金を得て入学し、その時の師がフランス絵画の巨匠と言われていましたPaul Delaroche(1797年―1856年)であり、同氏のスタジオで本格的に絵画を学ぶ機会を得たのはミレーにとり幸運だったと言えます。
(Paul Delarocheは壁面一面にフランスの歴史的史実を描く画家でありナポレオンの遠征記やイタリアの風景画を多数描いています。)

当時の画家にとり人物画(Portrait)を描くのは画家への登龍門であったともいわれており、ミレーもいくつかの肖像画を描いていますが、本作品はミレーがまだ26歳という若い時に描いた秀作と言えます。

この肖像画、タイトルは『Madame Martin』となっていますが、実はこの作品には対の作品があるのです。
CHRISTIE'S カタログ
『Monsieur Martin』クリーブランド美術館蔵

ミレーはこの時 Martin夫妻の肖像画を描いているのです。
このマーティン夫妻ですが、マーティン氏は獣医であり、政府の役人であったと言われており、夫婦の肖像画を描かせたということは当時の特権階級だった筈です。

その時に描かれた肖像画がこの作品となり、ご主人の肖像画はクリーブランド美術館に収蔵されています。

いつ、この夫婦の肖像画が別々になったかは定かではありませんが、クリスティーズオークションよれば、この『Madame Martin』は1880年-1890年にHamel コレクション(Lisieux)に収まり、次にEtard コレクション(Lisieux)になり、1919年5月22日に開催されましたGalerie George Petit (Paris) セールでロット番号27番で登場し、1961年までF. Cottin コレクション(Lisieux)になり、1977年4月28日開催されましたサザビーズニューヨークオークションでロット番号157番で登場しています。 1978年にはパリにありますGalerie Schmitが所蔵し、1989年12月7日に東京で開催されましたTajan オークションにロット番号11番で登場し、その後、日本人の個人コレクションに収まっていたのです。
*本作品の裏には、Sonoko(総務)というシールが貼ってありましたので、美白で有名だった鈴子そのこさんが所有していたと見られています。 そして2011年10月12日に開催されましたクリスティーズ・ニューヨークオークションに ロット番号26番で登場し、当グループが落札し、コレクションに収まることになったものです。

この作品の過去の展示歴は最も新しいもので1965年となっており、事実上47年間も一般の目から消えてことになります。

展示歴
1961年 Douvre, France ,Les Musee a Douvre-la-Delivrande,
" Realistes et Impressionistes normands ,No 115
1964年 Cherbourg, Musee Thomas-Henry,
" Cent cinquantieme anniversaire de la naissance de Jean-Francois Millet
1814-1875: exposition organisee au Musee
Thomas-Henry avec l'agrement de l'I.C.O.M.i No.25
1965 年 Musee Jacquemart-Andre,
" Exposition J.F.Millet No.2

今回、この『Madame Martin』ですが、ロンドンのクリスティーズオークションの専門家とクリーブランド美術館の協力を得て、『Monsieur Martin』と同じフレームをロンドンの王室お抱えフレームの専門家にお願いして制作して貰っており、近い将来、『Monsieur Martin』と『Madame Martin』が170年ぶりに再開しましても、何ら違和感がないフレームとなります。

クリーブランド美術館と当社が共同して、ミレーが若くして描いたこのMartin 夫妻の肖像画を一緒に展示出来る日が来るかも知れません。
CHRISTIE'S カタログ
クリスティーズ・オークション・カタログ

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